タイイングバイスって、高価ですよね。それなりの物になると3万円以上。15万円近くする輩まで。
カタログを見る限りどこにそんなにコストが掛かっているのか分からなくて、流石に高すぎるのでは。と思いますが、趣味の世界だからしょうがない。所有欲も満たしてくれるし。
伝統のある欧米のメーカーや、安心のティムコのバイスが欲しいんだけれど、手が出し難いのも事実。
初心者の方だったり、学生だったり、お金がなかったり、「欲しいけど、買えないよ」というのは、私だけでは無いと思います。
そんな人への強い味方が中国メーカー。時代を追うごとに品質もどんどん上がっていて、不安も少なくなってきました。
フライフィッシングの分野にもしっかり参入してきています。
という事で、激安フライグッズメーカーMaxcatch(マックスキャッチ)のタイイングバイスを購入したので、レビュー記事を書きます。
私は、タイイング3年生。
最初に購入したのは、アキスコのエイシスフライタイイングキット。初心者向けにいくつかのマテリアルとツールがセットになった商品です。
これに入っていたのが、サンライズのスーパーAAバイス。単品だと2,500円くらい。
大きな不満ではないのですが、ホールドする力が弱いので、スレッドを強く巻くと、針が動きやすいです。
特にミッジサイズのフックは難しくなります。広い面積を掴まないとフックが動いてしまうのですが、フックを深くセットすると、今度はスレッドが巻けなくなってしまいます。
新規バイスを探し始めた分けなんですが、ロータリーバイスが条件でした。
ロータリーバイスとは水平の横線を軸に、フライを360°回す事が出来るバイスです。ハイエンドなバイスはこの形が多く、単純に憧れがあります。またフライの反対側、腹側までまんべんなく確認できるので、バランス良く美しく巻けるに違いありません。
そうすると、冒頭の話になるのですが、基本高価。安くて、レンゼッティのトラベラーカムバイスの36,300円。
「一生ものだから」というのは分かるのですが、フライショップに見に行くのも面倒だし、奥手な私には、店員さんに見せて下さいというのもストレスだし。
通販で購入して意外に使い難かったらどうしようとか思うと手が出せません。
そんな中で見つけたのが、(価格的に)燦然と輝くMaxcatch(マックスキャッチ) フライタイイングバイス。12,540円。だいぶ手が出しやすくなります。
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ところで、この商品は、トラベラーカムバイスとハイレベルでそっくりさん。
買う前にさんざん写真を見比べましたが、色と、スタンド以外に違うところが見つかりません。。。
「実は一緒なのでは?トラベラーカムバイスの価格はブランド料金なのでは?」と、都合良く考えてしまいます。
まあ、デザインを真似ているから安くできるのでしょう。
レンゼッティも欲しくて、満足できるものを買おうとも思ったのですが、結局安さには負けてしまいました。
ここからレビューとさせていただきます。
外観と同梱品
この商品は、分解された各パーツがケースに収まって届きます。
ケースはコンパクトで、パーツはケースの溝にキレイに嵌るように仕切りがありますので、持ち運びを前提に作られているようです。
私は持ち運びする事はありませんので、ケースは不要です。
アマゾンの評価が高い製品でしたが、価格が安い製品という事で、品質のバラつきが気になります。しかし、塗装が剥げているとか、傷がついていることはありませんでした。
付属品は、フォーム材のバイス・フライラックが2枚。ジョー(フックを掴むパーツ)の開きをサポートするO-ringの交換品が1個、工具が1個です。
フライラックは使うかどうか個人の問題ですが、購入すると700円位するものですので、消耗品ですし、使う人は嬉しいと思います。
取扱説明書はありません。完成の写真を見ながら組み上げましたが、難しくありませんので、どなたでも問題ないはずです。勿論、あった方がいいとは思いますが。
大きさは、上の写真の通り。
私にとって、初めてのロータリーバイスで、他との比較は出来ませんが、イメージとしてはコンパクトなのかな。と思います。
各部詳細
まず、バイスの各部名称は下記の通りです。
Jaw
Jawは、レバーを動かしてフックをホールドする形です。
ジョーの角度は調節できません。が私(あくまで初心者)にとっては特に調整したいというニーズはありません。
フックのホールドとしては、アマゾンの評価で♯32-2/0サイズまで固定は問題ないとの事でした。
私の場合、手持ちの♯24-♯8までを試してみましたが、冒頭に書いた以前のサンライズのバイスとは比べ物にならない強固なホールドに、正直驚きました。
Parachute Arrachment
これは、Jawを回転させる為のハンドルです。
この機能がロータリーバイスのロータリーの部分です。
ハンドルの角度と、回転の硬さは調節可能です。こちらに関しては私に比較対象となる経験がありませんが、操作性は良く、フライを巻く上でも不満ありません。
Bobbin cradle
この部品は、スレッドのボビン置きです。
コパーワイヤを巻く時など、ボビンを置いて置けるので便利です。
この部品は取り付け自由なので、使っても使わなくてもOKです。
総評
購入してから、30本以上のフライを作成しました。
特にジョーのホールド力には感動です。以前のバイスに比べストレスがなく、それだけで、綺麗なフライが巻けます。
また、ロータリー機能は想像していた通り、フライの裏側、腹側もチェックできるので、これもまた綺麗なフライ作成に役立ちます。
接着剤やコーティング剤を付ける時も便利です。
初心者には必要十分。買って満足のいく製品でした。コストパフォーマンスが非常に高と思います。
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最後に
安いとは言っても、1万円以上。私にとっては安い買い物ではなく、長く使いたいので、ネジ部、可動部にはすべてグリスを塗りながら組み立てました。
グリスアップの時に分解したので、参考までにジョーとパラシュートアタッチメントの分解写真を載せておきます。