禁漁真近の9月10~12日。
ありがたい事に、誘いの声をかけていただいて2泊3日の源流旅行に行く事が出来ました。
山の中のさらに中が目的地らしいです。どの道路からもかなり遠い場所。否応でもテンション上がります。
厳しい藪漕ぎの末に辿り着いた渓では、無垢なイワナも景色もすべてが最高で、新たな扉を開ける体験となりました。
前夜出発で、現地で少し仮眠。
いつも遠足前の小学生のようにソワソワして眠れないのですが、ラッキーな事にすんなり眠る事が出来ました。
起きたのは5時30分頃。雲が多い朝から始まりました。
車を降りてから60+20ℓの重ーいバックパックを背負って、長い林道歩きが待っています。
暫くは、開けた谷と広い河原が広がっています。
景色は爽快。重いリュックさえなければ、アスファルトで舗装された林道は、ハイキング気分です。
道中、多くの沢と出会いましたが、雨が続いた後の日なので、どの沢も活気に溢れています。
時間が経つに連れて、太陽が雲を追い払い、夏空が広がります。
水は適度に多いし、空は晴れているしで、絶好の釣り日和になりました。
途中、道は植物に覆われ、無くなっていました。
これに突っ込むのか…。毛虫がこわーい。
人の入った気配は所々にありますが、藪漕ぎ初体験の私は、”無理無理”と心でつぶやいてました。
おかげで山レベルが上がり、蜘蛛耐性が付与されました。
12時頃、テン場を決めて設営。
いつもはハンモックですが、今回は、同行者の幕の下に入れてもらいました。
男2人で寝袋は奇跡のおそろい。
それはそうと、僕ちゃん、地べた露天だと虫が心配であります。
まあでも、深い谷で傾斜がきついことに加え、下草と背の低い木が繁茂し、ハンモックは設営できそうにありませんでしたけれども。
同行者はテンカラです。私が辛ラーメンを食べている間に、あれよあれよとどんどん釣り上げていました。尺物も混じっているようです。
追って私も参加して釣り上がりました。しかし50m程でちょっとした滝に当たってしまい、そこまで。
短い区間ではありますが、十分楽しめる釣果がありました。
出る魚が総じていいサイズ!!
勿論、子供イワナもいるのでしょうが、大きい魚が蹴散らして疑似餌に先に飛びつくのだと思います。
一旦テン場に引き上げ、川に浸かって水風呂タイム。あとは寝床や焚火の用意。
飲み物も冷やしましょう!
16:00前くらい。もう一度同じ区間を釣りましたが、同じように釣れてくれました。
このポテンシャルの高さは、深い山の賜物。
夜飯はイワナの竜田揚げ、イワナのアラ汁、牛タン、お米。
当然、最高にうまいのは間違いないです。
が、もっと上手に調理できるはずとも思います。
竜田揚げは骨が気になるレベルでしたし、アラ汁はアラ感が薄かった。
夜は長い割りに持ち込んだ酒の量が少なくてこれも反省です。同行者はなんと8本だって!!すげーよ。執念が。
2日目。寝る時コンタクトを外し忘れて、すっごい目ヤニが付いていた。瞼が張り付いて目が明かないんじゃないかと思った。
今日は移動無しで思いっきり釣りに集中できる日です。
朝方雨が降っていましたが、行動を開始する頃には止み、明るい曇りの天気になってくれました。
昨日止まった滝は、高巻きで越しましたが、昨日の藪漕ぎとは違い、林漕ぎとでもいうような草と木がミックスした斜面を歩きます。
雪が多い場所なので、木が曲げられて地面近くでは水平に生えてるから滅茶苦茶歩き難い。
全然時間気にしていなかったので分からないのですが、1~2時間くらい?
途中で出くわした沢筋から谷を降ります。
この区間もすぐに滝に当たり、昨日に引き続き50mくらい。十分楽しめたのもありますが、何よりさらなる高巻きは気が乗らず、テン場に引き上げました。
私はいつも魚を求めてガンガン釣り上がるのでかなりの距離を歩くのですが、この豊かな川は、必要以上の欲を洗い、流し去ってくれます。
13:00頃には一旦釣りを切り上げ、テン場に帰宅。
また今日も渓に泊まれる贅沢。まだまだ人生頑張りたいと思えます。
また夕方にテン場近くを釣りましたが、今度は一転して渋い状況に。昨日も同じ場所を釣ったので1日経っても警戒しているのかも。それかこっちの気が緩んでしまっているのかな。
野菜ネットが破けていて、キープした魚も逃してしてしまい、今日はイワナなし。
あのイワナは、そういう強運の持ち主なんでしょう。
その代わり、フキを味噌で炒めたのがうまかった。茹でが足りないのか固かったけど。
3日目、朝起きると、顔を蚊に食われて強張っている。
朝ご飯を食べたら、撤収。
藪漕ぎの往路と復路の時間差は、なんと半分。自分達の踏み跡を辿る事が出来るのは全然違うみたい。
途中、我儘言って支流に入らせてもらい、2時間程釣りをしました。
やはり本流より型は落ちますが、こちらの魚も反応よく釣れてくれました。
この支流での釣りはビックリしたことがあって、
25cmくらいのイワナを釣って寄せている時。
私が乗っていた大岩の下から2匹のデカいイワナが飛び出してきて、釣れたイワナを追いかけまわしているのです。時折、口を開けてガブッ、ガブッと襲っています。全て空振りに終わっていましたが。
足元で繰り広げられた光景で、見入ってしまいました。
自然の状態で、弱ったイワナは仲間の生きる糧となるのでしょう。
それにしても、乗っていた大岩の影はさんざんフライを流していて、反応なしだったのに…。
今回の釣行は、いつもと比べて、明らかに人の気配が薄い場所でした。
その分、確実にイワナは大きく逞しく息づいていて、いかに人間が彼らの生活を脅かしているかというのが良く分かりました。
山に踏み込んで釣りをしている自分も当然、ダメージを与えています。
大変すいませんとも思うのですが、また来てしまうとも思います。
今の状態が保たれるように。もっとインパクトを与えない行動を心がけます。